桂離宮・仙洞御所

高橋 浄


 2001年6月16日に当社スタッフ2名にて見学した桂離宮と仙洞御所のレポートを高橋浄が報告いたします。



仙洞御所の水辺の造作石


 桂離宮

 桂離宮は後陽成天皇の弟君・智仁親王が造営した八条宮家の別荘です。場所は、京都の西の郊外を流れる桂川の西岸、旧丹波街道に通じる桂大橋を渡った北西に位置する。東西約230メートル、南北約218メートルを有し、付属地を含めた総面積は焼く58,000平方メートル(約17,500坪)に及びます。
 桂川河畔に造営された桂離宮は、桂川から水を引き、細流や苑池、大小の築山を築いて人工的に自然景観を造りだした、庭園様式としては最初に完成された廻遊式庭園です。



 敷地のほぼ中央には様々な形の大小数個の中島を有する大きな池(苑池)があり、苑池の西側の平坦地には古書院・中書院・楽器の間・新御殿などの主要建築物があり、その南面に蹴鞠や弓道の場として使用された芝庭が広がっています。

 苑池の周りや中島には外遊路がめぐらされており、路沿いに月波楼・外腰掛・卍亭・松琴亭・賞花亭・園林堂・笑意軒などの茶亭や祠堂を配する他、築山や入江、州浜など変化にとんだ自然景観を取り入れて、建築と庭園の見事に調和した空間が演出されています。

 さらに石敷道・畳石・飛石・砂利道・土道など多様な構造の外遊路の側には、様々な橋や燈篭・手水鉢が巧みに配されており、計算された美の地形の造成と相まって巧みな庭園美が演出されています。

 また、これらの造園の手法には当時流行していた舟遊(中国の明より伝えられた煎茶の遊び方の一つで、池の周囲に茶店・飲食店を設けてこれらを舟で巡る貴族の遊び)の影響が認められるとの事です。
 
 桂離宮は、簡素を旨としながらも意匠を凝らした建築郡と、自然の風景を効果的に配すことによって至上の美を追求した空間であるといえます。

 見学会当日は良い天候に恵まれ、午前中の涼しい時間帯に庭園内をまわれました。庭園内の随所に精緻な庭園美が演出されたおり、見るものをわくわくと次の期待感と、本物の美しさを目の当たりにした昂揚感を感じさせてくれます。
 残念ながら、古書院や中書院、新御殿の建物内の見学は出来ませんでしたが、その他の松琴亭等の茶室は外からですが、内部の様子も見ることが出来、ただ美しいだけでない、遊び心のある洗練された美を堪能する事が出来ました。

 仙洞御所

 京都御所の東南、松の緑の中に大宮御所と共に広大な一郭をなす仙洞御所は桂離宮や修学院離宮とともに17世紀に築かれた宮廷の庭園のなかで、細かい技巧を用いない、おおらかでスケールの大きい廻遊式庭園として高い評価を得ています。



 仙洞御所は、江戸時代始めに完成した、後水尾上皇の仙洞御所並びに東福門院の女院御所の跡です。残念ながら、御殿は江戸時代に焼失し現在は残っていませんが、一郭をなす大宮御所は残っており、庭園はよく保存され美しい姿を見ることができます。

 敷地の東側に寄って大きな池が南北に連なっていますが、南の池が中島と橋とで二分されている事から池が全部で三つに分かれているように見えます。そのため、北の池から俗に真行草の池といわれ、それぞれに異なった独特の景色を表しています。

 北池には、中島が一個あるだけで、広々とした景色を表しています。南池には三個の中島と二・三の岩島、池に突出た出島や、広々とした州浜があって変化に富み、池の周辺をめぐる苑路と多くの橋とで、思いのままに廻遊出来るようになっています。

 見学会は、大宮御所から出発し仙洞御所庭園をぐるっと一周するものでした。最初に見た大宮御所は、女院御所のあとで後水尾皇后の御所として造営され、以来後の皇后の御所として使われてきました。

 

 しかし、明治5年に皇太后が東京に移られてからは空殿となり、現在は外国元首や国賓の宿舎に用いられているそうです。
 
 チャールズ皇太子と当時結婚されていたダイアナ妃も日本に来られた時には、大宮御所に宿泊されたそうです。
 
 庭園は同じ日に見学した桂離宮の精緻な庭園とは違い、自然のありのままの姿を雄大に見せる手法がとられており、自然の持つ美しさが随所に堪能することが出来ました。


 
 
 

   仙洞御所全景

 6月16日、天気 晴れ。宮内庁の許可を得た私たちは、桂離宮と仙洞御所の参観に行ってまいりました。


 
両方とも一般公開されていません。前回の修学院離宮などと同様、宮内庁により管理されています。

 事前に宮内庁に参観申し込み手続きをしました。


  

(アクセス)

桂離宮

交通 阪急桂駅から徒歩15分
JR京都駅から33系統市バス桂離宮前下車徒歩5分
駐車場 有
写真撮影不可

仙洞御所

交通 地下鉄丸太町駅または今出川駅から徒歩10分
駐車場 有
写真撮影可

みなさんもぜひお立ち寄りください。







仙洞御所石造りの橋



仙洞御所竹垣のディテール


.